1996 RUF CTR2 Racing1996年式 RUF CTR2 レーシング

1996年式 RUF CTR2 レーシング ホワイトペガサス

車台番号:W09BA0366WPR06003

・空冷ルーフ・コンプリートカー
・前後ワイドボディ
・CTR2中唯一のレーシング仕様

“レースカースペックの空冷ルーフ”

30台余りが製作されたといわれるRUF CTR2の中にあって、当個体は日本人カスタマーのオーダーによって製作された唯一のレーシングスペック車両です。

また、当時の正規輸入元である石田エンジニアリングを通して輸入された、国内唯一の正規ディーラー車でもあります。

それぞれの個体にユニークなニックネームを与えられるCTR2ですが、当個体は「ホワイトペガサス」と名付けられました。

外観も通常の993とは全く異なっています。

ルーフ(屋根)のサイドエッジは省かれ、より低い空気抵抗係数を実現。ボディを構成する素材も徹底的に軽量化されており、リアガラスなどはアクリル製となっています。

CTR2の中でも、ワイドボディ仕様の生産台数は極めて少ないとされており、さらにこの個体ではフロントフェンダーもワイドになっているという、大変珍しい仕様となります。ワイドなフェンダーに合わせて、ホイールのリムも拡げられました。

生粋のレーシングカーである962Cに由来するフラット6ターボエンジンから生み出されるパワーは最大600馬力にも迫るとされています。ホイールからは巨大なブレーキディスクが顔を覗かせており、強大なパワーを受け止める準備も万端と言えるでしょう。

絶妙なデザインのリアウィングは959を彷彿とさせますが、実はダウンフォースを生み出すためだけのウィングではありません。ウィング中央に設けられた空気の取り込み口が、直接左右のツイン・インタークーラーへ空気の流れを引むよう設計されてもいるのです。

車内を覗きこめば、とても公道走行ができるとは思えない程にスパルタンな内装となっています。

ルーフのペダルは通常、革靴の底にも優しいすべり止めのラバースタッズがついており、日常の使用でも安心できるようになっていますが、当個体はレーシーな穴あきペダルとなっています。

スピードメーターはフルスケール360km/hまで刻まれており、その高いポテンシャルを存分に期待させてくれます。強力な加速に対して身体を支えるシートはフルバケットのレカロSP-Gです。

インテグレーティッド・ロールケージを標準装備しているCTR2ですが、当個体はさらに交差したロールバーが備わっています。運転席と助手席を囲むようなロールケージは乗り込みを難しくしますが、ボディ剛性を向上させるだけでないのはもちろん、安全性という意味においても高い信頼性を誇ると言って良いでしょう。

内装の張地は殆どすべて剥がされています。その軽量化は、カップカー級にストイックな徹底ぶりで、後席部分や天井では塗装されたホワイトボディが剥き出しとなっています。ドアも軽量化されており、ドアノブはひも式。それでいてパワーウィンドウはついており、センターコンソールのスイッチによって操作します。

コンソールのデザインも通常のCTR2とはまるで異なり、専用のレース仕様となっています。

ブースト調整ノブによって車内でブーストレベルを変更可能である他、キルスイッチも装備。

エンジン始動はプッシュスタート式です。エアコンがついているため、イメージと異なり快適に乗ることも可能な仕様となっています。

以前にも弊社で取り扱ったこの車両は、内外装及び機関部全てにおいて未だ素晴らしいコンディションをキープしています。整備もルーフ認定工場であったボルクスアオトス(浜松市)にてしっかり行われてきており、確信を持って皆様にご紹介させていただきます。

元より生産台数が少なく、日本への輸入台数が少ないという希少性もあり、購入することのできる機会自体が稀であると言えます。オリジナル状態が最も好ましいとされるマーケットの中でも、ルーフは大変高い価値を維持することができる商品です。

さらにこのホワイトペガサスは、空冷最後のルーフでもあります。その価値は不滅といっていいでしょう。

“ルーフCTRの歴史"

RUF Automobile社は、ポルシェの有名チューニングメーカーもしくはパーツメーカーとして認識されていますが、正式にはチューナーではなく、VDA(ドイツ自動車工業界)の認可を受けた正式な自動車メーカーです。創業は1939年、70年以上の歴史を誇ります。

創設者アロイス・ルーフ(シニア)が事業を開始したごく初期を除おいて、そのすべてをポルシェとともに歩んできました。ルーフのポリシーは、ロードカーとしてのポルシェを、ルーフが考える最適な状態にして提供することにありました。

そしてその頂点に君臨したのが、ポルシェをベースとした究極のロードカーであるルーフのコンプリートカーでした。世界で最も優れた操縦安定性と速さ、優れた乗り味、高い安全性と耐久性を高次元でまとめた1台、それがルーフのコンプリートカーで、ポルシェ社から供給されたホワイトボディ&シャシーをベースに生産された個体は各世代とも少量に留まりますが、市販モデルをベースにルーフ製オリジナルパーツを付けて同仕様に仕立てられた個体も数多く存在します。

ルーフの長い歴史の中でもその名を一躍有名にしたのが、80年代後半にアメリカの自動車専門誌が開催した最高速テストでした。339.9km/hという驚異的なトップスピードを記録したルーフCTR”イエローバード”は、世界中のスポーツカーファンから熱い注目を集めます。

初代CTR=グループC用+ターボ+ルーフ、の名を受け継ぎ、空冷最終である993型911ターボをベースに開発されて1995年にデビューをはたしたルーフ・コンプリートカーがCTR2です。

1997年までに生産されたCTR2はわずか30台あまりと言われており、一台一台に固有の名称が与えられていました。オーダー内容によりRWDや4WDなど様々な仕様の車両が製作され、異なる装備類はもちろんのこと、ベースとなるボディも数種類用意されていたようです。

搭載エンジンは、962C用3.6リッター・フラット6の空冷ツインターボチャージャーシングルカムをベースにルーフが究極のロードカー用として独自のチューニングを加えたもので、最高出力520hp(後に580hp)、最大トルク685Nmを誇りました。最高速度は349km/hを実際に記録、マクラーレンF1に次いで、当時世界最速のロードカーとして広く認知されていました。フェラーリF50やジャガーXJ220よりも速いマシンだったのです。

Chassis No. W09BA0366WPR06003

- Very rare RUF air-cooled 911 complete car
- Flared wings on both front and rear
- One and only racing spec example of all CTR2's

“Rare racing version of air-cooled RUF”

About thirty cars said to be produced, the CTR2 we introduce here is the only racing-spec example created to meet the request by a Japanese customer.
It is also the only officially imported example through Ishida Engineering, the official Japanese importer of the time. As all the other CTR2's given unique nicknames, this car’s is “White Pegasus.”
It has a totally different look from the Porsche 911, 993 generation, upon which the CTR2 is based.
Rain gutters on the roof were deleted for the purpose of reducing the drag. A generous amount of weight-saving materials is adopted as in a rear acrylic window, to give an example.
Among the already-rare-enough CTR2's, the wide-bodied examples are said to be extremely hard for anyone to come across. On top of it, this example is even rarer, with wide front fender flares in order to accommodate wider front rims.
The twin-turbocharged flat 6 originating from the pure racing 962C produces the maximum thrust close to 600 horsepower. The stopping power is no less impressive, though, with gigantic brake discs peeping out of the forged wheels.

The exquisitely-designed rear wing reminiscent of the Porsche 959 does not only function to produce down force. It is designed also to suck in the air from the inlet placed in the center and to take it into twin-intercoolers positioned on both sides of the engine room.

The interior looks so stoic that it is hard to imagine this CTR2 is road-legal.
While the RUF's standard pedals have rubber studs on the stepping surface to make a gentle but slip resistant contact with a shoe bottom, the race-style drilled pedals are equipped on this vehicle.
The speedometer is of 360km/h full scale and reminds you strongly of its ultra high performance. A pair of RECARO SP-G seats hold the occupants tightly enough against a violent G-force produced by a powerful thrust.
While the integrated roll-cage comes standard with the CTR2, this example even carries a cross-welded roll-over-bar. Even though the roll cage surrounding the driver's and passengers seats makes the entry tougher, it improves body's rigidity and occupants’ survivability in return.
The interior upholsteries are stripped down to almost bare conditions. Its weight-saving measures are almost as drastic as those found in the Porsche Carrera Cup racers. For example, non-upholstered steel panels can be seen at the ceiling and rear section. The doors are lighter with simpler upholsteries and even door pulls instead of door knobs. However, surprisingly enough, there are power windows operated by switches located on the center console.
The center console is designed exclusively for this vehicle and features a load of race-ready equipment. The turbo's boost pressure can be changed instantly just by a twist of the boost controller and it even furnishes the cut-off switch inside. The firing of the engine is done by a push of a starter button. Besides power windows, air conditioning is another one of few comforting features.

This individual we have dealt with in the past still remains in excellent conditions both cosmetically and mechanically. The fact that it has been maintained at RUF-certified VOLKS AUTOS Co., Ltd. Factory is another reason why this CTR2 is highly recommendable.

The small production number naturally leads to a small import volume. The opportunity to acquire this flagship RUF does not come along often. While originality scores high in this kind of market, the RUF is one of those few exceptions to the rule and can be a rock solid investment. What's more, this White Pegasus is one of the last air-cooled RUF and its value should stay invulnerable.